◆合成オッズの利用
合成オッズとは、複数の買い目をひとつの買い目とみなした場合のオッズです。例えば馬連で5点買いで、この合成オッズが3.00だったとすると、その馬連5点買いは、3倍の目の1点買いと同じ意味ということになります。つまり、単勝3倍を1点で買うような賭けをしていることになります。このように複数の目の賭けを1つのオッズで表すことの意味は大きく、例えば合成オッズが3倍であれば、その賭けは最低でも3回に1回以上は的中しないと儲けが出ないことがすぐにわかります。そう、このすぐに判断できることが重要なのです。競馬のように締め切り時間が決まっていて、時間的な余裕があまり無い場合は、短い時間に的確な判断をしないと、それが致命傷になりかねません。この合成オッズは、最後に購入するかどうかのその重要な判断のとても強力な材料になります。
これは基本的な合成オッズの使い方ですが、普段から何気なく多点数を購入されているような場合、知らず知らずに、合成オッズが2倍を切るような買い方をしている場合が結構あるはずです。例えば、1.5倍の買い方をしていたとすれば、それは1.5倍の単勝を1点買いしているのと同じ賭けをしているわけで、普段そんな賭けをするかどうか実際に考えてみれば、その買い方が正しいかどうかがわかるはずです。
この合成オッズの算出は、実際に競馬場等で手作業で行うことももちろん可能なのですが、かなり時間を取られてしまい、レースとレースの間に、オッズを調べたりしていて時間がないとき等には、計算や判断を過ってしまいがちです。
ひとつ注意しなければならないことは、合成オッズは、確率の和の原理を元にして計算されていることです。これは、その事象(的中)が同時に発生しないことが前提です。つまり、合成オッズは、馬連であれば馬連だけで、馬単であれば馬単だけで算出するべきものなのです。馬連と馬単等の混合の複数の目やワイドの場合は、同時に数点的中してしまう可能性がありますので、合成オッズを出す意味はありません。これは同時に発生しないという原則に反しているからです。ですから、合成オッズは基本的には各馬券種ごとに求めます。これは、買い目画面で複数のエリアを指定して合成オッズを使い分けられますので、その機能を利用して各馬券種ごとの合成オッズを確認してください。しかし、同時に的中する可能性が無いのであれば、何種類かの馬券が混ざっていても問題ありません。また、ワイド総流しのように、必ず2点で的中するような買い方であれば、それは合成オッズを2倍すれば実際の合成オッズが求められますし、1点的中と2点的中にわけて考えられるような買い方であれば、1点的中であれば合成オッズそのまま、2点的中であれば、倍の値で判断すればよいことになります。このあたりは合成オッズが確率の和で計算されていることを理解できていれば、いろいろと応用が効くと思います。
◆資金の自動配分の意義
また、合成オッズを利用すれば、全体の賭けをその倍率ひとつの賭けみなすことができるわけですから、複数の買い目があっても、資金をうまく配分すれば、ほぼ同払戻し額になるように配分できるはずです。TARGET frontierでは、買い目画面の金額の入力のところでこの機能を実現し、この機能を単純に自動配分と呼んでいます。金額の大小にもよりますが、この機能を利用すれば、どの目が的中しても、ほぼ同額の払戻しになるように各目の金額を指定できます。また、特定の目を元返しになるように指定することも可能です。
「配当が同じ金額になるような面倒な買い方なんてしない。いつも3点買いで均等額だけ買うから、私には期待値なんて関係ない。」と言う方もいるかもしれませんが、それでも合成オッズの呪縛からは逃れられません。同じ作業を続けていれば、それはやがて合成オッズの値に収束します。つまり、ずっと続けていれば、均等買いだろうが、同額払い戻し買いだろうが、同じなのです。ですから、合成オッズが3.00のレースだけをずっと買い続けた場合、どちらの買い方でも、そのレースの的中率を3倍したパーセントの回収率になるのです。つまり、そのようなレースの場合は、的中率が34%以上なければ、プラスにはなりません。もちろん、押さえの指定をした場合は別です。
どうせ収束するなら均等配分の方が楽で良いと思われる方もいると思いますが、自動配分にした方が確率が収束しやすくなりますので、このメリットが生きてきます。合成オッズ3倍の賭けを何回も行う場合、同払い戻し額になるように買えば、的中時は、ほぼ毎回300%の回収率になるわけですが、これを均等買いすると、的中時の回収率はバラバラになります。その場合、高めが来れば一見かなり儲かったよう感じますが、これはたまたまで、300%の呪縛からはどうやっても逃れられません。だったら最初から3倍になるように買っていた方が運に左右されず成績が安定しますし、その賭けは3回に1回以上的中しないと儲からないわけですが、毎回300%であれば、実際の収支を見るだけで3回に1回以上当たっているかどうかわかるわけです。つまり収支がプラスであれば予想が正しいことがわかるわけです。
しかし、均等買いだと、たまたま大きいところが的中してしまうと、3回に1回も当たって無くてもしばらくはプラス収支になってしまうわけで、この場合、予想の期待値はマイナスにもかかわらず、収支がプラスで、収支からの予想の精度の判定ができず、自分の予想が正しいと思い込んでしまいます。しかし、期待値的には負ける賭けを続けているわけで、しまいにはマイナスになることは確実なわけです。で、問題は、自分が負ける予想をしていることに気が付くのが遅れるということです。つまり、同払戻し額になるように配分すれば、自分がたまたま勝っているのか、実力で勝っているのかが早い内にわかるということです。もちろんこれを良しとするか運に身を任せるかは自分で選択してください。
また、この合成オッズと自動配分の機能を使うようになってからは、個人的にもこの合成オッズが馬券購入時の一番重要なポイントになって来てまして、この値によって、入力した買い目に対して、実際にどのように買うかを決定しています。期待値が高い場合は文句無くそのまま買いますが、低い場合は、最初に書いたように、優先順位の高い目なのにオッズが高いという目だけを選んで小額だけ買うとか、あるいは単勝等に狙いを変えて買うという場合もあります。そして、その中間の場合は、買い目を絞ったり、押さえを工夫したり、人気を考慮したりしながら金額を設定して、仮想払い戻し額を確認して買います。もちろん結果的に見送ることもかなりあります。とにかくこの機能によって、買ってもあまり儲からないようなレースを買うということは全く無くなりましたし、自分の自信度との比較が容易になったことで、見送るべきかどうかの判断も的確に出来るようになりました。
ただ競馬が本当に好きで、どんなレースも馬券を買いたくなってしまうような方や、せっかく予想したんだから買わないとと思ってしまう方もかなりいると思いますが、少なくとも購入総額に対しての強弱を付けたり、買い目を絞ったりということでも対応できるはずですから、まずはその程度の対応でいいかもしれません。最後には相当自信があっても合成オッズとの兼ね合いからだけで見送るという精神力が必要になるかもしれません。つまり、まず当るだろうとわかっていても見送るということです。そんな馬鹿な、と思う方もいるかもしれませんが、それが合成オッズなのです。
◆合成オッズの効用
最初は単にメモ等と配当の計算くらいしか考えてなかったのですが、オッズの自動取り込みをするようになってから、実はかなり使い方が変って来ました。前日予想で軸や相手がはっきり決まっていれば買い目も簡単に決まりますが、5頭が混戦というような予想結果しか出せないような場合には、とりあえずその数頭のボックスの目を書き、適当に順位をつけておきます。本来ならこんな予想しかできない場合は、見送るのが適当なのですが、この機能を使用してからはちょっとかわりました。このようなレースの場合、当日のオッズを見て、その買い目の順位とオッズを比較して、明らかにオッズが高めという目だけを買うという方法を使っています。これがかなり有効で、的中率は当然落ちますが、回収率はもちろん高くなり、もともと見送りレースのように、小額で楽しむというような場合には有効だと思います。
もともとこの合成オッズ重視の方法は以前から行っていたことはいたのですが、如何せんWINSや競馬場で締め切り数分前に買い目に対してオッズを書き込んだところで、全体の合成オッズを簡単に計算できるはずもなく、押さえとかも考慮するともう締め切りには間に合わなくなってしまいます。ですが、この機能を使うことによって、非常に簡単に出来るようになったのです。
つまり、通常であれば、そのレースに対する予想の自信度がレースを買うかどうかの最大の判断材料にされがちですが、この機能を生かすことによって、その買い目に対する合成オッズを買うかどうかの大きな判断材料にできるわけです。しかも、これは最終的に儲けと直結しますので、その効果はかなりあると思います。合成オッズを見ることによって、その倍率で、自分の自信度と比較が容易になり、それによって、締め切り数分前でも買うべきかどうかの判断が簡単にできるようになるということです。私はすでにこの機能をかなり使っていますが、もうこの機能なしでは馬券を買うことができないようになってしまったくらいです。
◆代用馬券への応用
現在では、8種類もの馬券がありますが、ある馬券を総流し等で買うことによって、他の馬券と同等の内容の馬券を作成することができます。これを代用馬券と呼んでいます。例えば、3連複の2頭軸の総流しはワイドと同等ですし、馬単の1着軸の総流しは単勝と同等、3連単の1・2着軸の3着総流しは馬単と同等のような感じです。そして、これらの総流しの全てのオッズを合成したものと元のオッズを比較することによって、どちらの買い方の方が儲かるかを選択できるケースがあります。もたろん、手間や点数が増えることでの資金配分等の問題がありますので、単純にオッズ同士を比較するだけでは結論は出ませんが、G1レース等では、語呂合わせ等で特定の買い目だけが売れてしまっているケースというのは間々ありますし、その他のレースでも、異常投票である買い目のオッズが低すぎるケースもあります。そのような場合に、その割安な目を他の目で置き換えるということも可能になります。
また、一旦総流しに展開することで、その中から不要な目を削除することも可能なので、より自分の予想にフイットした買い目を作成することができ、回収率を向上させることも可能になります。
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