競走馬の状態とは、ターゲット内で表示される競走馬等の馬のデータに付随して表示されるデータのひとつで、その馬のその時点あるいは現時点での状態を示すものです。

　現在の状態を正確に表示できれば、簡単な説明で済むのですが、JRA-VANのデータは、基本的に中央競馬のデータであり、中央競馬に所属している馬の状態はほぼ100%把握できますが、地方競馬に所属している場合や、まだ中央競馬に登録されていない状態の場合、さらには、海外所属の場合等については、残念ながら、その状態は明確ではありません。ターゲットでは、その時点で存在するその馬の様々なデータの内容やタイミングによって、できるだけ新しく正しい状態を表示するようにしていますが、それぞれ限界がありますので、データをみる上でのその辺りの注意点を説明します。

◆馬名登録等のデビューまでの流れ

　日本では、中央・地方のどちらの場合でも、競走馬として育成される馬は、血統登録をする必要があります。そして、登録した時点で、その馬固有の血統登録番号が決まります。血統登録されれば、馬名を申請することが可能になり、馬名を付けることができます。その後、競走馬としてデビューするためには、中央競馬あるいは地方競馬に登録し、出走するというのが基本的な流れです。

◆ターゲットに登録される２種類の競走馬のデータ

　血統登録だけされた時点ではまだ馬名は決まっていません。ターゲットでは、この時点でのデータが
産駒データとして登録されています。つまり、産駒データには、日本で競走馬として育てられた全ての馬が登録されていることになります。この時点ではまだ馬名は決まっていませんので、産駒データとしては、各血統や毛色、生産者、生産地、生年月日等のデータが含まれています。これらは、産駒データ一覧画面で一覧表示できます。基本的には当歳や１歳の段階で登録されますが、輸入された馬も登録されますので、そのタイミングは様々です。

　その後、馬名登録され、競走馬としてデビューするためには、中央競馬か地方競馬に登録される必要があります。そして、中央競馬に登録された時点で、ターゲット内に競走馬データが登録されます。競走馬データには、産駒データの内容に加え、馬名、調教師名、馬主名、中央競馬への登録日や抹消日、そしてレースに出走すれば、各種成績等のデータも更新されていきます。この状態のデータは、出馬表や成績画面からの馬データ画面はもちろん、馬名検索や馬データ検索で検索して一覧することもできます。

　ターゲットに登録されている競走馬のデータは、基本的にはこの産駒データと競走馬データの２つになります(*1)。データの包含関係としては、基本的には競走馬データとして登録された馬は全て産駒データとして登録されていることになります(*2)。

　そして、ターゲットやこのヘルプ内では、中央競馬に登録された馬、つまり競走馬データがある馬を
登録馬(または中央馬、中央登録馬)と呼んでいます。そして、逆に産駒データしか存在しない馬を未登録馬(または中央未登録馬)と呼んでいます。登録・未登録というのは、あくまで中央競馬に対しての意味になりますので、未登録馬でも地方競馬に出走しているというケースはもちろんあります。

【注意】
・(*1)他にも、種牡馬や繁殖牝馬という状態のデータもありますが、ここでは競走馬としての状態を基本的に扱いますので、それらについては除外しています。また、繁殖用の馬の中には国内産でも血統登録番号を持たない馬もいるようです。
・(*2)外国馬については、中央競馬に出走登録すれば、その時点で競走馬データは作成されますが、産駒データは作成されませんので存在していませんので、産駒データの例外となります。

◆馬名登録

　産駒データと競走馬データの関係だけからしますと、競走馬データとして登録されたときに初めて馬名が判明するということになりますが、実際には、中央競馬に登録される以前に馬名登録されます。そして、その時点でのデータとして、ターゲットでは馬名の意味由来というデータを蓄積しています。このデータは、血統登録後、中央競馬あるいは地方競馬に登録される以前に馬名が登録された時点で発生するデータで、基本的には血統登録番号と馬名とその意味由来だけのデータです。ですが、このデータを利用すれば、競走馬データとして登録される以前に馬名が判明しますので、ターゲットではそれも利用しています。ただし、ここで登録された馬名は、中央競馬や地方競馬に登録される段階で変更も可能で、最終的な名前とは限りませんのでご注意ください。また、データも、2000年産の馬以降のみ提供されており、それ以前についてはデータがありません。

　登録馬は全て馬名がありますが、未登録馬についても上記の馬名の意味由来データから馬名を得ることが出来ます。ですが、馬名登録されていない段階では名前がありませんので、そのような未登録馬については、一般的によく使われる呼び方として、「～(母親の名前)のyy(生年の下2桁)」と呼びます(例:「ウインドインハーヘアの02」)。ターゲットでも、産駒データ画面等の馬名の無い未登録馬が表示される画面では、こちらで表記しています。

◆出走・抹消

　中央競馬に登録されれば、あとはレースへの出走、そして競走馬を引退して抹消されるという流れになりますが、JRA-VANのデータは基本的には中央競馬を基準としてデータになりますので、レースも中央競馬のものは100%カバーされていますが、地方競馬の成績は中央競馬に関するものや重要なレース、あるいは地方所属馬が中央のレースに出走した場合の、その馬の戦歴に関する成績等が登録されるだけで、全ての成績が登録されているわけではありません。ですので、地方のレースのみに出走したような馬(基本的に地方所属馬/中央未登録馬)は、出走したかどうかもわかりません。

　また、抹消というのも、中央競馬を抹消されたかどうかという意味で、中央から地方へ転属したような場合も、抹消として扱われます。ですので、抹消後も地方馬として戦歴が追加される可能性はあります。

◆競走馬の８つの状態

　ターゲットでは、競走馬の状態を表す表示としては、以下の２通りの区分があり、計８つの状態があります。

　　(1)不明・未登録・地方・在厩・不在厩・抹消
　　(2)不明・未登録・地方・未出走・既出走・抹消

　画面により、このどちらかの全部あるいは一部を利用しています。(1)と(2)に分かれるのは、未出走馬でも既出走馬でも、それぞれ在厩と不在厩があるためです。それぞれ組み合わせた４通りで表現すれば全てを網羅できますが、表記しづらいということもありますので、どちらの情報を重視するのかで、画面ごとに使い分けています。また、画面上での表記は２文字になる場合が多く、それぞれ原則として前２文字が使われます(馬名登録は「名登」)。

　不明とは、データの異常、あるいは欠落等で、本来はわかるはずの内容が判明しなかったときに表示されるものです。こちらは、データを再登録等すれば、表示される可能性は高いです。基本的には存在しません。

　また、未登録、地方は、どちらも前述の中央未登録馬のことで、地方のレースでの戦歴が確認できれば地方という状態で表示される場合があります。その他の未登録馬が未登録ということになります。ほとんどの画面では、未登録のみで表示されます。

　また、既出走、未出走は、それぞれ戦歴があるか無いかでの判定ですが、未登録馬で戦歴がある場合(地方)については判定されず、こちらは登録馬のみで表示されます。また、レースでの除外や取消は戦歴としては認められません。

　また、登録馬にしか反映されないデータもいくつかあり、そのひとつが中央競馬での状態を表す在厩と不在厩です。これは中央競馬の施設内にいるかどうかの判定ということになります。また、抹消も同様です。抹消というのは、競走馬として抹消されるのではなく、中央競馬の登録馬として抹消されるという意味で、抹消後、地方競馬に転厩することもよくあります。ですので、表示幅の確保できる馬データ画面等では中央抹消と表示されます。

　重要なポイントは、抹消されても地方競馬に出走している可能性があることと、それから、未登録・地方(産駒データだけ/未登録馬)の状態からは抹消という表現は存在すらしないということです。

　ターゲットでは、産駒データ一覧画面等で、未登録馬名の検索を実行すると、馬名の意味由来データが登録済みの場合には、こちらの検索も同時に実行され、多くの未登録馬の馬名も判明いたします。ただし、未出走の段階での馬名の変更は認められていますので、例えば中央競馬に登録されたときにはまた名前が変わっている可能性もあります。また、ターゲット内では、この時点での馬名の変更は感知できません。

　また、この馬名の意味由来データを対象として、馬名で検索したり、馬名の意味由来の内容で検索する機能もありますので、地方馬等の未登録馬を含めて馬名のある全馬を対象として検索することも可能です。検索した結果は産駒一覧画面で一覧できます。ただし、この機能は、リンク先にもありますように、データの提供範囲や内容にも少々問題がありますので、そちらをご了承の上、ご利用下さい。

◆状態分類表

・登録馬(競走馬データあり) 　－現役－在厩
　　　　　　　　　　　　　 　　　 －不在厩
　　　　　　　　　　　 　　－抹消

・未登録馬(競走馬データなし) －地方(地方競馬成績あり/馬名あり)
　　　　　　　　　　　 　　－未登録(馬名あり/馬名なし)